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税理士の農業日記

実家の畑の管理をすることになりました。農作業をポジティブに楽しみたいと思います。
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農業経営アドバイザー

「農業経営アドバイザー」という世間にあまり知られていない資格がある。
日本政策金融公庫(旧農林漁業金融公庫)の主催する試験制度で、運営は日本プロ農業総合支援機構が行っている。

日本政策金融公庫から「平成23年度農業経営サポート委嘱事業に係る公募の実施について」という案内が来た。
公庫の委託によって融資先の「経理フォロー」、「財務相談対応」、「経営改善計画作成支援」と「いったことを行うようだ。

ともかく、応募してみた。採用されるかどうか、採用されても依頼があるかどうか、依頼があっても引き受けるかどうかまったくわからないが、応募しなければ全てが始まらない。

経営改善計画といたものを金融機関から求められて、私どもが作成することがある。
書類が整っていれば融資が実行されることが多い。
しかし、期限に追われて経営者が理解しないまま私どもが主導で経営改善計画書作成して当面の融資は通ったが、肝心の経営計画は実行されないままという苦い経験もある。

経営計画は、経営者が理解して前者一丸となってその目標達成のため努力することが大切だ。
経営の基本にPDCAサイクルがある。
 Plan  計画を立てる
 Do   実行する
 Check  評価・検討する
 Action 改善策を講じる
 の繰り返しである。

企業経営は計画を立てることによって、何をすれば良いのかが具体的に見えてくる。
そして、実行する。
結果を検証して、足りないところや方向転換するところがないかを検討する。
第2段階の改善策を立てる。そして実行という繰り返しである。

農業者は、私の父もそうだったが、10年一日のごとく作物をつくり農協や市場へ出荷して終わりという経営を行っている人が多いようだ。農業も一般の企業のように改善策を講じることによって飛躍的に業績が伸びる可能性があると思う。

私は、農業経営サポート委嘱事業の依頼があっても融資を通すためだけの経営改善計画作成は受けるつもりはない。経営者とともに経営改善計画を立案して経営に貢献できるという充実感を求めるから、仕事は大変だが計画の実行検証というところまで関わって行きたいと思っている。
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[ 2011/04/23 18:52 ] 農業経営と税金 | TB(0) | CM(0)

生産緑地の指定解除

浜松市は2007年に政令指定都市になり、その2年後の2009年から農地の宅地並み課税が始まった。
政令市になっても、住民にとって良いことは何もない。
事業所は名刺や封筒の印刷をしたり、住所のゴム印を作り直したりと。
農家にとっては固定資産税の宅地並み課税が大問題。

父親は農地を手放す気がない。
固定資産税の宅地並課税は厳しいから、農地で所有を続けるのなら生産緑地の指定を検討しなければならない。

そこで、生産緑地の指定を解除できる要件を調べてみた。

次のいずれかに該当するときは農業委員会に農業委員会に買取の申し出を行うことができるということだ。
 1、生産緑地の指定後30年経過
 2、病気などの理由で農業に従事できない
 3、本人が死亡し、相続人が農業に従事しない

 (注)2の場合は医師の診断書が必要

あるサイトの解説によると、病気やけがで農業に従事できないという医師の診断書が一番多く使われているそうだ。
父親は現在も高齢で農作業などできないから、医師の診断書はいつでも書いてもらえるだろう。

問題はこの後だ。

買取の申し出以後は、次の手順で進む。
siteikaijo-2.gif

市に対して「買取請求」をして、市が欲しければ市が買い取る。しかし、その例はいまだかつてないそうだ。

次の「農業従事者に買取斡旋」だが、これも実際には買取る人はいないそうだ。

そして、晴れて生産緑地の指定解除となり、ただの農地となる。
ただの農地となれば宅地転用もできるということだ。

そううまくいくだろうか。そんなに簡単に指定解除できれば、誰もがやる。
もう少し実例を調べてみよう。
[ 2011/01/27 20:52 ] 農業経営と税金 | TB(0) | CM(0)

難しい生産緑地の選択

首都圏・中京圏・近畿圏の三大都市圏の市街地農地は、市街化政策により固定資産税が宅地並みに課税される。ただし、生産緑地に指定された農地は固定資産税が農地としての課税となる。

生産緑地という制度とはどんなものだろうか。調べてみた。

生産緑地の指定を受けた農地は、次の場合に市町村長に対し、生産緑地を時価で買取るよう申し出ることができるとされている。
1、生産緑地地区に指定されてから30年を経過したとき
2、農業の主たる従事者が死亡し、又は、農業に従事することが不可能になったとき

すなわち、生産緑地に指定された農地は自由に宅地転用や売却という処分ができないということだ。

生産緑地は、税制上の恩恵が受けられる一方、緑地保全という機能を有するので、その指定解除については、このように厳しい要件が付けられているそうだ。

農地の固定資産税が宅地並み課税となったら農業経営は困難となるので、三大都市圏の市街地農地の所有者は生産緑地の指定を受けるか、売却するか、宅地転用して賃貸マンションを建てるかといった選択を迫られる。

浜松市も中京圏に入って市街地農地は宅地並み課税となった。浜松市や静岡市は中京圏ではないと思っていたが行政の決定はわからないことが多い。

今のところ宅地並み課税でも何とか持ちこたえているが、専業農家ではなくても将来も農地として所有を続けるのなら、生産緑地の指定を受けることを検討しなければならない。
難しい選択を迫られたものだ。
[ 2011/01/21 20:14 ] 農業経営と税金 | TB(0) | CM(0)

トーゴーサンとクロヨン

 トーゴーサンとクロヨンは所得の捕捉割合を指す言葉である。

 トーゴーサンはサラリーマン10割、自営業者5割、農林水産業者3割、クロヨンはサラリーマン9割、自営業者6割、農林水産業者に至っては4割程度しか捕捉されないといわれるものである。本当にそうだろうか。

 ごく最近でもトーゴーサンやクロヨンをタイトルにした税の専門家らしき人のブログ記事をよく見かける。

 父は専業農家だった。近年高齢化と都市化により農業の規模を小さくしていって、父が農作業ができなくなった現在では野菜畑200坪というとても農業といえる規模ではなくなってしまったが、私も父の専業時代の農業を手伝ったり、所得税の申告書を作っていたので農業については理解しているつもりである。

 農業については、以前、「反別課税(農業所得標準)」といわれる悪名高い課税方法があった。1反(10アール)当たりいくらの所得と税務署が決めて、それを基に申告する方法である。その所得標準は作物の種類ごとに順次廃止され、最後に残った米作も現在では廃止されている。私の住む浜松市では大規模な米作農家はなく、専業農家は主に施設園芸や酪農業であるから反別課税はずいぶん昔に廃止されたという印象である。なお、所得標準は講演料、原稿料、保険外交員、茶道や舞踊の師匠、地代や家賃収入などにもあった。

 反別課税だと単位あたりの収穫量や品質に差があっても面積に応じて一律に所得を計算される。高品質で収穫量の多い農家は実際の所得よりもずいぶん少ない所得額で税金を計算されることもあっただるう。反面、収量が少なく低品質の作物を生産した農家は実際に損益計算した結果の所得額より多くても反別課税の方法で計算して申告することが一般的だった。多くの農業者、特に小規模農業者は損益計算をして所得金額を計算するという習慣がなかったからである。

 その当時はサラリーマンが9割、農業者が4割という所得捕捉率の違いが場合によってはあったかもしれない。誤解を避けるために重ねて言うが、農業所得標準はあくまでも平均値だから農業者個々人によって農業所得標準によって所得計算をした人すべてが所得捕捉率4割というわけではない。他者に比較して特別に優良な作物を生産した人が農業所得標準の恩恵を受けたということだろう。

 反別課税があった時代でも大規模農業者は青色申告をして実際の損益計算に基づいて所得税の申告をしていた。農家の売上の大部分が市場出荷であるが、日本全国の市場での売立額はデータベース化されており、生産者ごとの売立額は100%税務署に捕捉されている。林業や漁業についても同様のことがあるのではないかと思う。現在ではトーゴーサンやクロヨンは存在しないといっていいだろう。

 今でもトーゴーサンやクロヨンが存在するがごときの記事を見かけると強い違和感を覚える。農業の実態を知らないで記事にしているとしか思えない。
[ 2010/11/08 20:36 ] 農業経営と税金 | TB(0) | CM(0)
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